ウサギ
待ちくたびれた万年筆が
木製の机の上を走り
煙草の煙を吸って咳き込んでいる
白いカップに髪がふれて
かき上げる仕草を見つめられて
少女は女になってゆくと 大人(ひと)は言う
あなたへ手紙を書いています
時間が出来たら
返事を下さい 電話も下さい
寂しくて 寂しくて このまま
死んでしまいそう
真っ赤な目をした ウサギのように
頬杖つけば 運が逃げてゆく
そう教えてくれたのは あなたね
自分がやりたい事をやるだけやって
勝手に姿を消さないでよ
月日が経つ毎に大きくなる
お腹を見つめる度に 道を見失う
「子供が出来たら…」なんてことも考えられずに
あなたに抱かれて あなたに捨てられ
逃げたくて 逃げたくて このまま
死んでしまいたい
幼い私の 不甲斐ない罪
寂しくて 寂しくて このまま
死んでしまいそう
真っ赤な目をした ウサギのように