月香る夜の独り言

2023/01/08~noteにて詞を掲載中。https://note.com/mochizukikaguya

懐夢

色褪せた教室 使い古された机
瞬く間に目の前の情景が セピア色に染まってゆく
閉ざされた困難(つぎのドア)
いくつ開いてゆけばいい?
いつになったら憧れの場所へたどり着くの?
…風に訊いた

君がくれた思い出も
あの日誓った夢も置き去りにしたまま
大人になった僕には 後も先もなくて
ただこの瞬間(いま)を生きてゆく事で精一杯

疑問は尽きることなく 次から次に
僕たちを悩ませていたけれど
どんな時も一生懸命 泣いて笑ってたね
どんなに歪んだ日々も 輝いて見えた

自由の意味も知らず 与えられている時間(とき)を弄び
未来(さき)のことも考えず生きていた
未熟(わか)さ故に先走って

正義ばかり求めては
派手に外れた道を選んでしまったり
正直すぎた僕らは いつも夢に見とれ
寄り添いながら傷をつけ合っていたんだね

この世の真理(まこと)は時に 曖昧すぎて
僕たちを悩ませる糧になる
生きる事の仕組みを どうして人は知ってゆくの?
社会と折り合うことも難しいくせに

歳を取ってゆく程に
過去と変わらぬことに戸惑い感じたり
大人になった今でも 僕は悩み、迷う
あの頃思い描いてた夢は消えたのに

疑問は尽きることなく 見えない規制(いと)に
縛られて生きている今日だって
受けてゆくの この命(こころ)で この胸で この両手で

他人(だれか)を傷つけるのに 慣れてくために
一つずつ出来事を乗り越えて
ときに涙呑み干したり嘘をついてゆくわけじゃない
上手に生きたいだけさ いつの世も 君と…