水銀
月も太陽もいなくなって
星達が漂う空はアクアリウム
オーロラの水草が揺らめき
例えるにも例えが足りない感情
何となく生きていたい
デクノボウでさえなくていい
真っ黒に汚れた海を泳ぎ
知らず知らず 毒を吐いては飲み
澄ました顔で絶望を語る
評論家にはなりたくないや
カラスも塒に帰っちゃって
綺麗な水を求めてトンボが集う
面倒臭くてやる気が出ない
そんなことは全て後回しにしよう
存在しているだけで
後ろめたく感じてしまう
銀色に煌めく泡を吹いて
おそるおそる 手を伸ばした先に
優しく微笑む(わらう)希望があっても
僕はそっちへ行ったりしないよ
ただ単に仲間が欲しいだけで
知らず知らず 毒が回ってゆく
澄ました顔で絶望を語る
評論家にはなりたくないのに
なりたくないや